2019年12月9日月曜日

真のエッセンス

 仕事やキャリアがなくなると、アイデンティティーの源がなくなります。新しい仕事やキャリアを始めないなら、これまで仕事で得ていた生きがいを退職生活から得なければなりません。退職後、自由時間がたっぷりある人生に移行する中で、最初の数日間または数週間が最も辛いです。不安やパニックに襲われる人、この状況は異常だと感じる人がいます。



 大事なのは、私の真のエッセンスを発見することです。仕事に完全に取り憑かれ、取り込まれてきたので、退職後の自由時間を楽しむ生活にはなかなか到達しません。

 私の仕事は、私のアイデンティティーの大部分を作ってきたかもしれません。仕事が要求することを通して、私は自分自身を変容させてきました。会社にとって重要なもの(私自身にとって重要なものではなく)が、私に深く染み込んでいます。仕事は、私たちのエッセンス、真の私たち自身を侵食する厄介な体質を持っています。

 私のエッセンス、私自身にとって重要なものを再発見するには、少々時間がかかりました。何が私は動かしているのか、それを見つけるために、私自身の内側を探求しなくてはならないからです。成長し、学習しようとする能力を使って、探求を進めます。いったん、真のエッセンスが発見できれば、自分のアイデンティティーを確認するための仕事は必要なくなります。
 
 ほとんどの人々は、時間がたてば仕事のない暮らしに慣れ、仕事があった時と同じように満足できることに気づきます。人生の幸福と満足のために人々は仕事を必要としません。

 これから退職後の自由時間がたっぷりある生活へと移行するなら、生活には多くの変化が生じます。仕事仕事の日々から余暇が多いのんびりした生活へとシフトすれば、私の真髄であるエッセンスは自然に再創造されます。仕事がないからと言って、無能や無価値であると感じる必要はまったくありません。いったん自由時間の中に本来の価値を見つければ、何か新しい問題が起きても、それに対処するのは、難しくなくなります。たとえほかの人が支援してくれても、してくれなくても。

 退職生活に適応するのに役立った要因は、次のとおりです。
・達成可能な目標に向かって努力する
・今、所有しているものを賞賛する
・問題が生じている時に、それに対処できるという自信を持つ

 退職して、最初の2日か3日は、仕事をやめたことが失敗だったかもしれない、と考えました。ですが、4日目頃になると、楽しい気分が戻ってきました。幸福感も感じられるようになりました。好きではない仕事に行かなければならない人々を、気の毒に思うようになりました。仕事が好きだ、という人々についても、同情するようになりました。こういう人たちは、きっと私ほど愉快な暮らしを送っていないだろうと思ったからです。

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